縦に長い狭小住宅。いろんな図面を見たり、建売をみるとトイレが家の中に2基あるのがメジャーな様子。3階建てなので1階と3階、もしくは1階と2階に作ることが多いようです。でも、我が家はトイレを1基だけに削減してコストカット。暮らす人数やライフスタイルで考えてみましょうというお話です。
そもそもトイレって本当に2つ必要?
狭い都会の土地を有効活用するために、上へ上へと面積を伸ばす狭小住宅。土地を買って注文住宅を建てる前に見学した建売住宅でも、トイレは2箇所必ずついていました。トイレの度に上へ下へと移動するのが不効率という理由なのかもしれませんが、そもそも本当に必要なのでしょうか。
結婚してすぐに分譲マンションを買いましたが、マンションのトイレはひとつ。平面の暮らしなのでといえばそれまでですが「夫婦ふたり暮らしならば、トイレってひとつで事足りるな」というのが私の結論。「標準プランについていたから」と、そのまま着工せず家族構成や生活スタイルで考慮して、本当にふたつ必要かどうかを考えてみるのがよいと思います。
トイレを増減する判断基準とは
私の実家は2世帯住宅。1階が4人家族の住まいで、2階が祖父母宅、3階がルーフトップテラスという構成でした。4人で暮らすのに1階はトイレがひとつだけ。不便を感じたのは学生時代でした。朝、父や妹が身支度をする時間と被るため、トイレの取り合いが起きるんです。
でも、それも高校時代までのお話。大学生になって通学時間がズレてくると、トイレ待ちは激減していきました。祖母の実家は代々建具屋で、13人家族に加えて職人を大量に抱えていましたがトイレはひとつだけ。本当だったらひとつで済ますところを、利便性の観点で増えているんだろうなあと。
では、必要かどうか判断するにあたっての基準はどんなものがあるのでしょうか。こんなケースバイケースを考えてみました。
- 事務所兼住居:来客用トイレと家族トイレに分けるので2つ必要
- 小さな子供のいる家:朝の時間帯など生活時間が重なる場合は2つ必要
- 5人以上の大家族:トイレを2つにして混雑を緩和する
- DINKS:出勤時間が異なるので、トイレはひとつでいい
ちなみに前出の私の祖父宅ですが、仕事柄か相談を持ち込んだり挨拶周り、取材など来客が異常に多い家で応接室も作っていたほど。祖母と2人の家なのに来客用と家人用にトイレを2つ作っていました。2人暮らしだからといって必ずしもひとつ、と決めつけずに生活スタイルや人数などで最適な設置数は異なってくるはずです。
トイレを1基にしたら、設置場所も熟考を
トイレを1階と3階、もしくは1階と2階に作れば便利なのは確かです。逆に我が家のようにひとつだけにした場合、設置場所も熟慮するのがおすすめ。私たち夫婦はまだ若いといっても、長く暮らす家。この場所で歳を重ねていくことを思えば、就寝中に行くトイレの回数もやがて増えていくかもしれません。
そこでトイレは1階にある寝室の隣に設置することにしました。2階のリビングにもあったほうが便利でしょうが、狭小住宅なので音が気になると来客時も使いにくい! 1階にしておけば、気兼ねなく使ってもらえます。来客兼用なので、トイレに手洗台も設置することにしています。
唯一のネックは3階の仕事場です。トイレに行くには1階まで降りていき、また上がらねばなりません。でも、PC作業をしていると同じ姿勢になりがち。特にコロナ禍で会議も自宅になってからは出歩く回数も減って、運動不足を実感。そのため、仕事の合間の軽い運動と考えることにしました。
マンションのように平面で暮らすと気が付きませんが、意外と家のなかに作るトイレの場所や階数は課題が多いもの。家族の普段の動きや、将来的なことも考慮しながら決めていくのがおすすめです。