本人の希望から、夫の書斎はたったの2.5帖でつくることに。「狭いほうが落ち着く」ということ、またアフターコロナにはテレワークと出社が半々になることが予想されたため、広く書斎をつくっても将来的にムダになる可能性があったのです。最低限のサイズで作った夫の書斎ですが、それでも本人のこだわりを詰めて満足のいく部屋ができました。今回、夫がこだわった書斎の内部を公開します。
2.5帖の書斎の間取りについて
家の西側につくった夫の書斎です。西側につくったのは、風水師からのアドバイス。家を建てる際に土地選びから間取り、内装まで風水師に細かく観てもらったのですが「西に家の主の部屋をつくるのがよい」というので夫が西、私は隣の東側と決めました。ベランダがあるため、夏は西日でやや暑いけれど、冬は逆に暖かいお部屋です。
机は南海プライウッドのカウンター「リビアス」をデスクにし、本棚も同社のシェルフ「フィクサス」を採用しました。狭いスペースなので家具を入れてスキマができるより、ぴったりサイズで造作収納を設計段階から入れたほうがムダがありません。
夫のこだわり1:本やコレクションを収納したい
これがお引越し前の書斎の様子です。 狭い部屋こそスペースをいかにフル活用するかがポイントになってきます。漫画好きで大量のコミックがあるほか、 ナノブロック、ゲームグッズなどのコレクションもディスプレイするため、大容量のブックシェルフを選びました。
夫のこだわり2:会議の背景用に白い壁
夫は社内だけでなく、社外の取引先やベンダーなどともWeb会議が頻繁です。カウンターデスクの対面になるこの場所には家具や収納棚は一切置かず、シンプルな真っ白い壁をつくりました。これは「仕事関係者に家の中を見られながら会議するのがイヤだ」という夫のこだわりです。モザイク処理もできますが、自然な映りを優先したそうです。
夫のこだわり3:趣味部屋としても使いたい
スキーが趣味で、冬には何度も滑りに出かけるほど。でも、大型のスキー板は場所をとるため置き場所が悩ましいもののひとつでした。書斎を仕事部屋としてだけでなく、マンガを読んだりゲームをする趣味部屋を兼ねたことで置き場所がここになり、インテリアとの共存問題もクリアに。ベランダが真横なので、お手入れもここでできるようになりました。
持って出ることを考えると、玄関近くのWICの上のほうが便利な気もしますが1年のうち僅かな期間にしか使わないものなので、3階でよいのだそうです。
小さくてもパーソナルスペースは大切
スペースが少ない狭小住宅で仕事場を作るのは、ともすれば勇気がいることのような気がします。会社員の夫はコロナ禍をきっかけにテレワークを導入。会議などで出社頻度が増えるかもしれませんが、アフターコロナも基本的には自宅で仕事をすることが決定していました。
そのため、夫は本当に独立した部屋として書斎が必要なのか最後まで悩んでいました。前述のとおり小さい場所が好きな人なので「リビングの脇に小さなスペースをくれればそれでいい」とも言ったほど。でも、集中して仕事をしたり、自分のコレクションを飾るのは働くテンションを保つ上でも大切な気がして。 たとえ家族でも一人になれる時間って重要では、とも考えたのです。
収納をたくさん作ったことで将来的に100%出社にシフトしても、土日には自分の部屋として活用できるよう工夫しました。
自営業の私と違って、いつまでテレワークするのかわからない夫。狭小住宅の家づくりにおいて、簡易的にリビングや廊下の端につくる例もあるようですが、会議やデスクワークに集中するには生活音をシャットアウトできる書斎はおすすめです。