野村不動産に築10年のマンションを仲介してもらい、売却する我が家。オプションサービスで自宅の水回りの清掃と、ノムコムに載せる写真を撮影するためお片付けの専門家が派遣されてきました。約5時間かけた作業の内容をまとめておきます。
売る家をクリーニングする理由
野村不動産に限らず、多くの不動産仲介業者で家を売却する際にさまざまなオプションサービスがあります。クリーニングもそのひとつ。住み続けるうちに家にこびりついたヨゴレをきれいにして、売る家をより魅力的に購入検討者へ見せるために行うもの。
たとえば本査定を依頼していた東急リバブルさんでは、CGで家の中をモデルルームのように美しく加工して画像化するサービスを導入。住みながら売却をする人には家具をいじったりする手間もなく評判がよいそうです。今回、ハウスクリーニングを受けてみて写真公開する部屋のインテリアや家具の一部を退かせたり、いろんな作業員が部屋に立ち入ってくる大変さを実感…。CGでやってくれるなら、それもいいなと思います。
各社いろんなオプションサービスがあるので、どのようなサービスに魅力を感じるか、じっくり検討してみても良いのでは。
実際に清掃した場所とは
せっかくクリーニングをしたのに、また汚れてしまうと元も子もありません。我が家の場合、営業さんからの提案で内覧会を実施する前週に実施しました。ハウスクリーニングといっても、家のなかのすべてを清掃するわけではありません。プロの業者がクリーニングするのは次の3箇所です。
- トイレ
- バスルーム
- 洗面所
- キッチン
いわゆる水回りの掃除です。清掃してもらって、バスルームは新築分譲時のようにシャワーヘッドがピカピカになってびっくりしたほど。プロのクリーニングの凄さが体感できました。
キッチンも然りで、シンクもピカピカ。コンロの五徳にこびりついていた黒い汚れは一切なくなっていて、夫と「次の戸建ては何年かに1回はプロにお掃除してもらおうか」と感動したほどです。
写真撮影のために部屋のモノを減らす
水回りのクリーニングには外部業者が2名(男性)がやってきましたが、部屋の片付けやモデルルーム風コーディネートには女性2名。我が家は3LDKのマンションですが、掲載用にマストとなるリビングのほかに撮影してよい部屋があるか確認されました。
リビングと地続きになっている部屋を撮影することが多いそうですが、我が家はあいにく私が仕事の机を入れていて書類やら書籍も多数。ここを勝手に触られたり、インテリアを細工されるのは嫌だと思い、アザーカットは寝室を撮ってもらうことにしました。
そのため、ほかに撮影する玄関や洗面所、トイレ、バスルームの「撮影には不要」と判断された家具や雑貨などの装飾品を残りの2部屋に移動。予め宅配で送られてきたダンボールに、スタッフがざくざく詰め込んで移動させますが高いところにあるものの移動は夫が動かしていました。
不要と判断されたものはこんなモノたちです。
- ローテーブル
- 棚にディスプレイした雑貨
- リクライニングチェア
- 壁に吊るしていたかばんや帽子
- 壁の写真や額
- 観葉植物
- クッション
インテリアはマイホームを買う時にこだわって買い集めたものばかり。ここに住んで10年、いろんな人がやって来て「素敵!」と褒めてもらったインテリアでした。ざくざく退かされていく物を見て「あー、これも不要なのか」とやや残念な気分になりました。
モデルルームによくある写真のための絵作り
程よく片付けたところで、スタッフが持ってきた小物が配置されていきます。フェイクグリーンや食器類など。ほかに別の部屋でディスプレイしていた雑貨をちょいちょい移動。女性スタッフ2人の「こうするとかわいいよね」「これは使えそうだね」という会話のもと、モデルルーム風の部屋が作り上げられていきます。
フェイクの果物やディスプレイ雑貨など、持ち込みで玄関に用意されていましたが我が家の場合はそもそも好きで揃えていたものが多くあり。半分以上は家のものを移動させて使っていたようです。ダイニングにペアの食器を飾りたいというので、WEDGWOODのカップソーサーやシャンパングラス、ロンドンで買ったティーポット、パリの茶筒なども適当に引っ張り出してスタッフさんに使ってもらいました。
作業にかかった所要時間
朝9時半スタートで、撤収は14時過ぎ。作業の流れとしてはこんな感じです。
- STEP
9:30 水回りの掃除、家具の移動スタート
- STEP
12:00 女性スタッフ昼休み
- STEP
13:20 水回りの掃除スタッフ、作業終了で退出
- STEP
13:30 カメラマン到着~部屋の撮影
- STEP
14:00 撤収
移動させた家具や雑貨は、女性スタッフが元の位置に戻すのが常だそう。ただ、私が立ち会いに疲れてしまい、こちらで作業するのでと言って終了にしてもらいました。100%復元してしまうと、内覧会もあるのでどうしたものかと…。特にこれについての助言はなく。我が家は山積みのダンボールは内覧会まで使わない部屋に入れておくことにしました。
写真撮影とクリーニングを終えてみて
水回り掃除のスタッフは休憩なしで、ぶっ通しの作業! キッチンのこびりついた油汚れをピカピカに磨き上げて去っていきました。カメラマンは部屋の準備作業がほぼほぼ整った頃に到着して撮影。もう少し撮影機材が持ち込まれるのかなと思いきや、三脚と広角レンズのみの軽装備でした。
肝心の掲載のための部屋づくりは個人的に見ていて「これが本当にいいのかな」と、思うようなお部屋になっていきました。モノがなくてスッキリした部屋のほうが印象がよいのでしょうか、なんだか妙にスカスカしていたり。外したウォールデコレーションの支柱は残していたりと、よくわからない…。
また、あちこちに配置されていくフェイクグリーンがいかにもフェイク。写真を確認しても不自然に見えてしまう…。仕事柄、テーブルコーディネートやフォトスタイリングもするので「これとこれを組み合わせるの?」と、途中から口も出したければ手も出したくなってしまいました。
カメラマンの撮れ高も確認はさせてもらえるものの「ここは補正してもらえますよね?」「昼間なのにペンダントライトをつけると、ガラス扉に写り込んで悪目立ちしますけど…」「ここに影が出てるのはいいんですか?」といった質問には具体的な回答がなく。途中から妙な空気感になってしまったので、その後の作業に顔を出すのは止めておきました。
感想まとめ
少しでも問い合わせを増やしたり、広告写真の印象をよくするために行う部屋づくりとクリーニング。プロの洗浄力には感動しましたが、ピカピカの状態を内覧会を経て買い手がつくまでキープするのはなかなか大変そうです。